朝青龍、千秋楽、白鵬を豪快に小手投げ!
取り組み前、解説の北の富士勝昭氏、
白鵬は組みに行くだろうと言う。
ここのところの朝青龍なら差せると白鵬も判断するはずだと言う。
また、
白鵬攻略には前褌(まえみつ)を掴んで速攻するぐらいしか思いつかないとも言う。
さて、実際の取り組み。
朝青龍も白鵬も、立ち会い、がっぷり組む。
少なくとも、どちらもがっぷり組もうとしていた。
予定通りと判断したのか、白鵬、
どちらの回しも取ってないまま、勢いでそのまま突っかけて勝負に出る。
朝青龍、土俵際へ押し込まれるも、粘って、すかさず、小手投げ。
白鵬、自分自身の勢いもあって土俵の外へすっ飛ぶ。
思わず、大拍手。
館内では座布団、乱れ飛ぶ。
朝青龍、左腕でやや控え目にガッツポーズ!
朝青龍、アンチ朝青龍らしき会場席のほうをグルッとひとわたりネメ回す。
朝青龍、朝青龍応援団らしき方へ向かって嬉しそうに手を挙げる。
朝青龍、老年の男と抱き合って喜ぶ。
朝青龍の目にも涙。
一方の白鵬、引き揚げていくとき、
左足がびっこを引いていて、痛がっていたという。
どうも土俵外へ吹っ飛んで行ったとき、左足を怪我した模様。
そう言えば、彼は体がでかいので、その分重い。
足の関節に変に体重が掛かり過ぎるとかなりヤバイはず。心配。
朝青龍のインタビューでの答:
(優勝おめでとうございます。)
どうもありがとうございました。
(優勝杯は?)
重かったですね。かなり重かったですね。
(どういう思いで過ごしてきましたか?)
一生懸命、努力して、頑張ってきました。
(今場所はどうでしたか?)
もう精いっぱいで、
横綱という地位を守ることに一生懸命頑張りました。
横綱というのは優勝しかないから。
初日から千秋楽まで応援してくださったファンのおかげだと思います。
<このへんからインタビュアーそっちのけで、ファンに向かって>
ありがとうございます。
(今後の目標は?)
まだまだ上へ行きたいと思うんで、
応援してください。
わしは大阪好きやで、ホンマに好きやで。
毎度、おおきに〜!
朝青龍はホンマ大阪人であった。
北の富士勝昭氏、
「これが言いたかったんでしょう」
と言う。
また、取り組みについては、
「白鵬が勝負を急ぎ過ぎた」
と言う。
これを受けて舞の海秀平氏、
「白鵬の体調が万全じゃなかったと思いますね」
と言う。
実は、私も、
あの強力な白鵬プレスと必殺の上手投げを持っている白鵬相手に
朝青龍といえども、そんなに勝ち目があるとはなかなか思えなかった。
どう考えても、
朝青龍の勝ち目は、天性の勝負勘と俊敏な運動神経ぐらいしかない。
それだけに、朝青龍の優勝を願っている人間であればあるほど、
朝青龍の勝ちはなかなか予想しづらかったと思う。
ところが、
いざ、朝青龍が実際に勝っているのを見ると、
もはや作戦の領域を完全に超えてしまっているだけに、
その感慨はひとしおだ。
朝青龍に感謝、感謝。
毎度、毎度、すごいものを見せてもらっている
とつくづく思う。
橋下徹知事:
本当に、熱い取り組みでした。大阪が元気になりました。
ありがとうございました。おめでとうございます。
とアドリブで述べて、朝青龍とガッチリ握手し、
・大阪府知事賞(賞状)
・大阪府知事杯
・副賞目録(米(シルク21-キヌヒカリ)240キロ、牛肉(大阪ウメビーフ)15キロ←財政改革のため去年までの半分)
を贈呈。
東国原英夫知事:
あなたは(略)良く健闘し優勝されました。(以下、略)
・宮崎県知事賞
・宮崎牛のブロンズ像
・副賞目録(宮崎牛特選肉1頭分、宮崎産の果物や野菜など1トン分、北浦灘アジ、みやざき地頭鶏(じとっこ))
を贈呈。
このあと、
NHKはじめあちこちの番組で朝青龍はひっぱりだこになるのであろう。
ところが、大きな難点が一つ。
彼の日本語は、明らかに、今ひとつ。
日本人自身が考えても、日本語は難しい言語。
にもかかわらず、
彼がここ2年抱え込まされて来た問題は、
当の日本のマスコミ人どもが元凶となっている、かなり厄介な問題。
日本人自身でさえ、ろくに解説も反省もしていない問題。
かくして、朝青龍の相撲道・横綱道は、
代受苦の典型例であり、
かつ、
孤高の鍛錬の道である
ということが人知れず分かってしまう。
【2008年3月場所(大阪場所・春場所)千秋楽】